Natural Products Expo West 2019 (ナチュラル・プロダクツ・エキスポ) ソーシャルグッドの波


















ナチュラル・プロダクツ・エキスポ 2019 - 3月5-9日

この展示会は東海岸、西海岸の両方で開催されており、3月のエキスポはカリフォルニア週アナハイムで行われます。会場となるアナハイム・コンベンションセンターは、ディズニーランドのすぐお隣。かなり大きな規模の展示会なので、アナハイムのダウンタウンは展示会関係者とディズニーランドに向かう人でいっぱい。警官が出てきて交通整理をするほどの賑わいです。

私がこの展示会の視察をするのは、約5年ぶり。縮小傾向にある他の業界の展示会とは対照的に、規模が大きくなってきている印象でした。対照商品は「健康、オーガニック、ナチュラル、食品」。公式サイトの出展商品カタログNatural Products Expo Connect のカテゴリーをご覧いただくと、扱う商品の多様さを実感いただけると思います。ホールフーズで扱う商品群に関連商品・新商品を掛けて展示してるようなイメージ。雑貨やビューティ系よりも食品が多め。ほとんどのブースで試食させてくれる、美味しい展示会でもあります。会場の大きさ、賑わいは昨年のビデオがあがっていたので、こちらを参考に。




そんな、規模・扱うカテゴリーも大規模な展示会なので、総括して語るのは無理。この記事では、①独断ですが特に賑わっていたと感じた商品の紹介と、②認証関係について書きたいと思います。

人気ブース:BEYOND MEAT

ここ数年フードテックがブームになっていて、培養肉を研究するスタートアップも誕生していますが、BEYOND MEAT は植物性の原料で肉の代替品を提供。ビーフパティやソーセージの形でパッケージされ販売されています。見た目や味も牛や豚を再現してるため、調理方法もそのまま普通の肉と置き換えるだけのよう。肉の代替商品はこれまでも色々あったけれど、加工されたナゲット状態のようなものが主流で、生の状態で提供しているものは無かった気がします。BEYOND MEATであればかなり応用がきくし、スーパーなどの小売店からレストランも顧客に。従来のベジタリアン・ヴィーガンだけでなく肉食を好む層にも抵抗無く受け入れられるかもしれませんね。

試食用のミニバーガーやミートボールが提供されており、足を止め試食したりブースの担当者と話そうと人だかりが出来ていた。米国では2019年初めよりファストフードチェーンのカールスジュニアでハンバーガーメニューに加えられているそうです。この展示会での商談で、更に色々な場所でBEYOND MEAT商品を口にする機会が増えそうですね!

















認証について:B-CORP

数年前までは、ナチュラル=オーガニック認証のようなイメージがあったと思いますが、ビーガン・コーシャー・Non GMO・グルテンフリー・ハラル・動物実験不使用などなど色々な認証マークを至るところで見かけます。公式サイトの出展商品カタログNatural Products Expo Connect では、認証の種類でフィルターがかけられるようになっています。特にホールフーズで扱っている商品なんかでは、何も認証ロゴが無い商品の方が少ないのではと感じるくらいです。エキスポ会場でも、各ブランド積極的にアピールしていました。

















その中で私が気になったのはB-corpの数です。ロゴはこちら↓ 会場でも至るところで見かけました。
































大学院で扱うまで、私はB-corpの存在について知りませんでした。下記、以前調べた内容を編集し掲載します。

B-Corpとは…**Sustainable Japanさんのサイトが原文をうまく訳しまとめてくださっているので引用させて頂きます

『Bコーポレーションは、米国ペンシルバニア州に本拠を置く非営利団体のB Labが運営している認証制度で、環境、社会に配慮した事業活動を行っており、アカウンタビリティや透明性などB Labの掲げる基準を満たした企業に対して与えられる民間認証です。「B」は「Benefit(ベネフィット:利益)」を意味しており、環境やコミュニティ、従業員といったステークホルダーに対する利益を指しています。
Bコーポレーションは、この企業の社会問題解決能力を信じ、株主だけではなくその他のステークホルダーに対しても等しく利益を生み出すことを企業の成功と定義することで、企業の社会的役割を変革していこう試みなのです。』
B-Corpの認証を取得するには、B Labの定める200項目の80を満たす必要があり、セルフアセスメントの後B Labのレビューを受け正式に認証を取得します。定款文書への記載が課されるものもあり、2年に一度アセスメントを受け直さなければB-Corpの認証を維持できない事から、かなりのコミットメントが課されるます。

現在60か国、150の業界にまたがる、約2,780社が認定を取得しているそうです。日本の会社は今の所6社。対するアメリカは、ロサンゼルスの会社だけで22社。(2019/3/10現在) この認証では、扱う商品のみのものでなく、従業員への情報開示・社会貢献・環境負荷への配慮・情報公開の透明性についても基準を満たす必要があるので、会社自体がいわゆる「ソーシャルグッド」な姿勢で経営されているかが問われます。

特にこの「ソーシャル・グッド」な姿勢は、購買パワーを持つミレニアル世代に支持されていると言われています。特にこういった価値観が浸透してきているのは恐らくサンフランシスコで、スタートアップもB-corp認証を取得している所が増えています。ナチュラル・プロダクツから、もっと広い意味で環境や社会に良い経営が問われている時代になってきていると感じています。

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