日本企業のアメリカ進出についての社内交信

弊社は、日米にスタッフがいるために、社内での論議は、メール上で行われます。アメリカ進出支援をしている弊社にとって、課題はいつも山積みです。今回も、私が投げかけた課題に、スタッフから下記のような意見が来ました。皆さんとシェアしたいと思います。

日本の商品をアメリカの展示会で紹介するにあたり、アメリカ市場にあった商品がない、価格が全て高すぎる。最初から売れないのがわかっているのに、展示会に出展する意味があるのか?ということについての社内論議です。

 米国市場で試して、このままでは売れないということを体感して頂く意味があると思われます。なぜなら、体感しなければ変わらないからです。聞くだけでは、その言葉を信じるより、自分達の商品が売れるという過信の方が上まり、本当の意味で変わることができません。

   費用は行政が全額だして、出展企業は宅急便の輸送費負担だけです。それだけで、この貴重な体験と、米国市場での情報が手に入るので、重要な機会だと思います。考えが変わり、米国販路開拓できる企業が一社でも出てくれば、大成功だと思います。

  この変われるかどうかの体験をした後、よくなるかどうかは経営者の資質によります。

  A社は、体験したから変わり、米国市場の可能性がでてきました。最初に会ったときのストールを展開したい状態から、数ヶ月体感して米国市場開拓に合わせる努力をするまでになりました。こちらは、経営者の資質と体感があってからこそだと思います。

  なにもしなければ、50社中1社売れるかどうか、それも小規模取り引きがやっとという状態が日本の現実だと思います。今までの経験では、日本の上場企業においてもさほど変わりません。体感して米国市場に合わせることをしなければ、市場開拓はできません。体感するだけでは変われない企業も多数あります。そこに適切なアドバイスやコメントで、気づきを与えてあげなければなりません。

  それで、変わらなければならないと気づくことができれば、今回は良いと思います。何回もチャレンジし続けて、変わり続け、強い企業になっていくものだと思います。今回は第一回目ですので、正にスタートの段階です。
これから何回かチャレンジしていく内に、より良くなればと思います。数回やってるうちに、日本ブースが良くなってきたと周りから言われるようになれば成功となるでしょう。

   続けなければ、日本企業はグローバル市場に置いていかれます。今までは、日本人は黙々と良い品質を作り続けていれば食べていけました。市場が大変換している現在は、それだけでは苦しくなってきています。日本人が苦手としている売れるものを生み出す力が必要な時代です半年前のやり方をしていると、食べて行けないと言う大変革の時代です。

  自分達の商品が売れない事を知り、初めて、売れる為に何をしなければならないかを思考します。これが最も重要です。数回後には、自分のブランドカラーで単独出展したい企業も出てくると思います

  A社が実際そのような事を話してました。今回は合同で、米国販路開拓という機会を得たからです。 自ら米国販路開拓を真剣に考え初める機会を得たからです。初めから米国単独進出しましょうと話していたら拒否反応します。

  皆んなが言っているから、皆んながやっているから、と言う言葉は日本において、最も人を初動させる原動力になります。より多くの日本人を初動させるためには、他力でなければならないのが日本人の思考回路です。そして、初動の後に自力で動き出すようになると、失敗することがわかっていても止められないくらい、まっしぐらに進む強さが日本人にはあります。

  このサイクルを生み出すための、貴重な機会だと思い、日本人の正確に合わせた出展方法です。米国と考え方が合わないかもしれませんが、これが日本人の良さでもあると思います。改良、改善は最も得意とするところです。
合同出展の方法も、数回もあればかなり良くなると思います。日本人の能力は、2、3回もあれば劇的に変わるものだと信じております。今回は1回目の初物です。それを踏まえて、日本人の改善力の高さを米国関係者に伝えていければと思います。

  トヨタは改善だけで、世界一の自動車メーカーなりました。それくらい日本人は合わせる力があります。 これは740年の律令制あたりから日本人に染み込んだ物を生み出すスタイルです。米国関係者も中期的視点で、今回の出展を見て頂ければと思います。 必ず、数回後には商品や出展形態など激変して日本エリアにトップクラスの注目が集まるものだと思います。そうなれば、過去の品質が良いのみの日本ブランドに、イメージも良いと言う新たな時代の日本ブランドが加わります。

  その時が日本の時代になると思います。それには、日本の弱さを強さにかえなけれざなりません。

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