【2019 Winter Fancy Food Show(ファンシーフードショー)】日本の食料品は何故この展示会が最適なのか・・・

 Fancy Food Show(ファンシーフードショー)は、Specialty Food Associationが主催の専門食料品の展示会で、冬(サンフランシスコ)と夏(ニューヨーク)の年2回開催されています。

 【2019 Winter Fancy Food Show 01.13~01.15 San Francisco】

 この展示会の特色は、Specialty Food Associationがどのような協会かを知ると分かりやすいかと思います。
 協会の使命は、革新的な製品をアメリカ市民に提供することと、特別な食料品をアメリカに広げる事です。つまり、アメリカ市民が日常的に食べている食料品以外の食料品をアメリカ市民に発信し、認知を広げ、飲食の選択肢が増える事で豊かな食生活を目指しています。

 日本の食料品もアメリカ市民全体には広がっていませんので、この展示会での情報発信は最適かと思います。更に多くのアメリカ人に味を体験してもらえるのも、展示会ならではの利点と考えます。

 日本の合同ブースでの出展や、日本企業の単独出展など、様々な日本の飲食が発信されてました。





 アメリカ市場では、日本の食料品は認知されつつも、まだまだ一般的ではなく、アメリカ人が毎日食べる食料品にはまだ入り込めてません。そのため、アメリカ人の認識では、日本独自の食料品はSpecialty Foodの分野に入るのでしょう。

 この展示会で『和』の食料品テーマに出展されているアメリカ企業のブースがありました。WA Inports Incというイリノイ州の企業です。

 アメリカ人が運営しているため、ブースに立ち寄られた人とスムーズに会話して、アメリカ人の一般的な食べ物への調味料として提案してました。そのため、ブースに立ち寄った人は調味料を試食した時に料理全体の味をイメージし易く、評判が良かったです。
 更に、プレスルームにパンフレットを置くなど、アメリカ市場への発信をしっかりとしてました。
 プレスルームで初めにパンフレットを見た時、ひじきをHIJAKI、かつお節をKATUROBUSHIと記載されていたため、大丈夫かなと思い、ブースで試食してみても日本人の味覚では少し違和感を感じてしまいましたが、ブースに訪れたアメリカ人は美味しいとの発言が多く、ブースには人が集まり人気でした。
 4~5人の企業ですが、1000~2000万ドルの年間売上があるそうです。

 飲食は文化的要素が高いため、日本人が美味しいと感じても、アメリカ人が同じ美味しさを感じるとは限りません。

 我々が、この展示会で様々試食しましたが、日本人が美味しいと思うものは2割程度しかありませんでした。逆に考えますと、アメリカ人が日本ブースに立ち寄っても、美味しいと思わない可能性が十分あります。
 しかし、アメリカの食や味覚にチューニングすると、特別な食料品も大きな市場に入る事が出来るかもしれません。

 出展前には、アメリカ人の意見を取り入れたり、デザインやパッケージを十分にアメリカ市場に合わせる事も必要です。アメリカのスーパーに商品を陳列した時のイメージも事前に調査することも重要です。

 アメリカの展示会は、珍しい商品の発表会では無く、商談などビジネスの場となってます。来年の展示会へ向けて、アメリカ企業は今から展示会で商談できるよう準備が始まってます。アメリカでの価格、提供できる数量、物流など基本を抑えることだけではなく、アメリカ市民に商品を知ってもらうブランディング活動も必要です。

 来年のこの展示会で如何にバイヤーと打合せするかは、これから一年のアメリカでの活動にかかってます。

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