2019年、明けましておめでとうございます。
今年最初の投稿は、CESショーについてです。今年は1月8日ー11日で開催されました。CESについては、メディアでかなり報道されていると思うので、基本情報などはこの記事では取り扱いません。①会場を回って感じた業界動向、②日本から視察に行くという視点で、効率的にCESを視察する方法について考えてみたいと思います。
2019年の業界動向
まず、CES 2019の公式ページをご覧ください。(こちらから飛んでください)今年の出展企業は下記のカテゴリーに分けられ出展しています。同時にこのカテゴリーが業界の動向を表していると思います。昨年は行っていないので正確な比較ができませんが、おそらくスマートホーム・IoT・自動運転・モビリティ・AI・ヘルステックあたりが大幅に成長している分野なのではと思います。会場の割り当て面積も上記の分野が大半を占めていました。
Product Categories and Marketplaces
- 3D Printing
- Accessibility
- Advertising, Marketing, Content and Entertainment
- AR/VR and Gaming
- Artificial Intelligence and Robotics
- Audio and Video
- Baby Tech
- CES Sports Zone
- Country Pavilions
- Design & Source Showcase
- Digital Money
- Drones
- Enterprise Solutions
- Eureka Park
- Family and Kids Tech
- Fitness
- Health and Wellness
- High-Tech Retailing
- Home Cinema
- IoT Infrastructure
- iProducts
- Resilience
- Self-Driving Technology
- Sleep Tech
- Smart Cities
- Smart Home
- Sports Tech
- Tourism
- Vehicle Technology
- Wearables
- Wireless Devices and Services
スマートホーム
写真では分かりにくいと思いますが、特にLG, Samsung, Google, LIXILなどのブースは家の各部屋を再現したような造りになっていて、テクノロジーや製品プロトタイプが実際に使用される環境に近い形で展示されていました。特にLIXIL社の展示は、モデルルームの中を歩いているように音声コマンドが使える湯船やシャワー、トイレなどが展示されていました。
Googleアシスタント、Amazon Alexaがインフラに
もはやセンサーとAIでモノが繋がり、なんでもできる状態になってきています。そんな世界を支えているのは、Googleアシスタントと Amazon Alexaです。会場内の至る所にGoogleアシスタント/Amazon対応デバイスが展示されており、Hey GoogleのサインやAmazonのロゴが掲げられていました。
強いブランディングのおかげで、会場全体がGoogle/Amazon色に染まっていました。加えて、真っ白なジャンプスーツを着用したGoogleのスタッフの方々が歩き回っているので、各社のメインブースを訪れずとも来場者の記憶にしっかり焼きつくように設計されていました。スタートアップがインフラを含めゼロから開発するのは無理があると思うので、テック大手のインフラに依存する体制は今後も続くのではないでしょうか。
強いブランディングのおかげで、会場全体がGoogle/Amazon色に染まっていました。加えて、真っ白なジャンプスーツを着用したGoogleのスタッフの方々が歩き回っているので、各社のメインブースを訪れずとも来場者の記憶にしっかり焼きつくように設計されていました。スタートアップがインフラを含めゼロから開発するのは無理があると思うので、テック大手のインフラに依存する体制は今後も続くのではないでしょうか。
自動運転
オートショーかと思うくらい、車会社の展示スペースが増えました。自動運転技術は前提になっていて、焦点は自動運転車で何を提供するのか?に移っていると感じました。各社映像を活用して、自動運転車が生活に取り込まれた未来を提示していました。移動型ビジネスの提案など、個人の移動手段に留まらないアプリケーションが示唆されていました。
そんな中、自動運転車椅子をつくるWHILL社は、ブーススペース内に試乗スペースを設けていました。スタートアップも(もう「スタートアップ」と呼ぶべき規模ではないかもしれませんが)ある特定分野に特化することで差別化、業界を引っ張る事ができると証明していたように思います。ちなみに、試乗体験を提供するという点では、Googleホームでも自動運転で展示場を回るトラムが用意されていたようです。この記事を参照
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後半では、日本からの視察という視点で効率的なCESの視察方法について書いていきます。会場でもかなりの頻度で日本語を耳にしたので、日本から視察に訪れていた方も多かったのではと思います。せっかく太平洋を越えて視察するのですから、限られた時間を少しでも有効に使う事が出来ればと思い、下記の情報や考察を残します。
会場の規模と移動について
まず、会場の大きさについて。下記オフィシャルウエブサイトの会場図です。ラスベガスで開催される展示会は、大きいものになるとラスベガス・コンベンションセンターだけでは収まらず、いくつもの会場に分かれる事も多いです。空港を含め、渋滞がなければ30分以内で十分移動できる距離ですが、来場人数が多い展示会の開催期間中は渋滞がひどく。又近年スポーツスタジアムも建設が進んでいるようなので、ゲームの日程もあわせて確認する必要があります。
CESの場合は、大きく3会場に分かれています。各会場が更に5−10のセクションに分かれており、特に小さなブースの多いスタートアップの会場は、1日あっても1フロアのブースを全て見るのは難しいのではといった規模感です。目当てのブースが複数あり、複数の会場に跨っている場合には会場間の移動も考慮する必要があります。渋滞がひどいので、どんな手段を使っても1時間近くかかります。特にキーノートのある初日は大混雑で、会場の中は新春初売りのデパートのような状態です。
出典:CES 2019
そんな状態なので、何人かのグループでの視察の際は手分けをして回った方が懸命かもしれません。
ウエブ・リアル併用した情報収集を
会場を回るのに加え、各社キーノート・プレゼンテーションは必見です。ただ、会場でライブで聴く事のできる人数は限られています。ライブストリームや即日録画版が公開されますので、活用すると良いと思います。動画は各社のウエブサイトに上がっていると思いますが、YouTube検索でまとめて飛ぶことができます。こちらからどうぞ。
特にメイン会場の大手企業の展示については、プレスデーの速報記事などを確認して目当ての物を決めてからブースに向かうのも効率的かもしれません。もちろん現地で実際にブースを見るのが醍醐味ではありますが、とにかく会場が広いので、ウエブメディアでの情報収拾を併用する事でより効率的に回る事ができると思います。
会場でしか味わえない体験を
最後に、せっかく現地を訪れているので
- ブースに立っている担当者と話す
- 業界関係者を捕まえて話す
- 実際にプロトタイプを触ってみる
- 商談のアポイントを入れる
期間中はどこも混んでいるので、コーヒーを買う列、バスを待つ間などに列の前後の人と話す機会がたくさんあります。個人的におすすめなのはUberの相乗りです。期間中はほぼCES来場者と乗り合わせる事になるので、結構面白い話が聞けます。昨年SXSWに行った時には、あるセッションのスピーカーと乗り合わせ、その方の発表内容の概要を移動中に聞くことができました。今回のCES行き帰りの飛行機でも、知らない人同士が業界の話題で盛り上がっているのを目にしました。
巨大な展示会なので、1日歩き回ってインプットするとどっと疲れてしまいます。しかし、新しいものを見聞きするのはとても楽しいものです。直接関係する業界に属していなくても、生活に深く関わるテクノロジーなので一見の価値があると思います。視察の際にはこれらの記述が役に立つと良いなぁと思います。
本年も、アメリカ展示会情報ブログをよろしくお願い致します。
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CES2020は 2020年1月7日(火) – 2020年1月10日(金)開催予定です。ご視察、ご出展にご興味がございましたら、お気軽にinfo@mcrossintl.comまでご連絡ください。
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