今のアメリカを取材 その13 アウトレットショップ

 ラスベガスのダウンタウンの近くにある「プレミアム・アウトレット・ラスベガス・ノース」を視察しました。コロナ前までは、このアウトレットは、海外からの観光客で大変賑わっていました。そのために、中国語、韓国語、日本語のサインが至るところにあります。しかしながら、現在は、海外の観光客は皆無。そして、数か月、店舗を閉鎖していたので、売れ残った在庫の山の一方、買い物客はまばらでした。

 80%~90%引きをしているところも多かったです。有名ブランドの「セオリー」も、全商品80%引きですが、店舗には、一人の買い物客もいませんでした。



 バナナリパブリックは、全商品50%オフ、さらに、レジで秘密の割引があり、実際は、90%以上の割引となっています。



 OFF 5THという、サックス5THアベニューのアウトレット店は、在庫をかけきれないぐらいラックにかけています。これでは、良いものもよく見えません。


 全店舗、必死で在庫をさばこうと努力していますが、買い物客がいません。むなしい現実です。

 
 通常なら、若い人でいっぱいのHURLEYも、店舗定員10名と、ドアに貼り紙がされていましたが、店舗内には誰もいませんでした。


 まだ再開できていない店舗もあり、そして、永遠に閉鎖された店舗もありました。この現実を実際に見て、何かが終了したことを確信しました。気持ちを切り替えるのは、なかなか難しいですが、このように現実を見て、大ショックを受けると、意外と簡単です。心は痛いですが・・・



 BROOKS BROTHERのドアには「長年支援してくれて、お客様と良い関係を作れたこと大変うれしく思っています。皆様の支援をいただきましたが、今回は、このような状況になってしまいました」という、寂しいお別れのメッセージが書かれていました。

 アウトレットモールは、ラスベガスに限らず、同じような状況だと思います。本日も、大手アパレル総合会社が、数ブランドのアウトレット店を閉鎖すると発表しています。アウトレットは、通常、都心から離れた場所にあります。本業に影響を来さないように、少し遠出をしないとお買い物ができないようになっています。アウトレットが生まれた当時は、インターネットがそれほど発達していませんでした。そのために、このようなビジネスモデルが成り立ちました。

 20年前と今とでは状況が全く違います。今後、アウトレットは、すべてオンライン化されるのではないかと予想します。そうなった場合、アウトレット用商品以外の売り上げにも大きく影響がでるのではないでしょうか?今後、アメリカのアウトレッドのビジネスモデルがどのように変化するかは、追う必要があると思います。

 

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