唯一好調だったデパート「NORDSTROM」

 コロナ前も、アメリカのほとんどのデパートは苦戦しておりました。その中で、唯一好調だったのが、NORDSTROMでした。NORDSTROMを117店舗、NORDSTROM RACKを250店舗展開していますが、コロナの影響で、14店舗の閉鎖も発表されており、6000名のレイオフも実施されたとのこと。

 実際に、コロナの影響が店舗にどれだけでているのか視察してきました。今回視察したのは、NORDSTROM RACKです。NORDSTROMの売れ残り在庫は、こちらの店舗で、割引価格で販売されます。アウトレット用の商品と違い、品質も良く、掘り出し物が見つかるので、近年RACKは急成長していました。



 店舗に入ると、進行方向を示すサインがありました。


 ソーシャルディスタンスを保つために、以前より通路も広く、ラックも30~40%減少している感じです。



 平日でも結構、人が入っていた店舗です。本日も平日ですが、お店はがらがらです。そして、商品は全て赤タグのクリアランスセールです。

 後、SKUが少なくなっており、1ラック、全て同じ商品で同じ色というところも多く、商品数自体も少ないのですが、SKUが以前の10%ぐらいに感じました。IRレポートでも、在庫を25%減少することに成功したと書かれていますが、売れないので仕入れを控えていることもあるでしょうが、都市閉鎖や米中問題で、商品が入ってこないということも影響していると思います。

 以前のように、掘り出し物はないかと「わくわく」するようなお買い物ができないような状況でした。探すところがない。見るところがないという感じです。通常、14台のレジがフル稼働しておりますが、本日は、4台だけ稼働しておりました。現在、試着もできないので、試着担当のスタッフもいません。店舗当たりのスタッフもかなり減っています。レジはもちろん、アクリル板で囲われています。6000人のレイオフをしなければならなかったことも理解できます。



 消毒液は店舗中に置かれており、床は、ソーシャルディスタンスのシールだらけです。


 とにかく、お客様もスタッフも少なく、陳列されている商品も少ないので、寂しい店舗になっていました。

 アパレル小売店にとっては、コロナ問題で店舗閉鎖、試着禁止、店舗当たりの在庫数の調整などの上、今後は、商品が入って来ない、仕入れの値上がり、その他、多くの問題と直面しなければなりません。大手に取っては非常に厳しい状況です。

 アパレル業界では、大きな変化が起きそうです。

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